概要
また、同じ夢を見ていた
✏️住野よる 📖双葉社
🔍9784575239454
あらすじ
双葉社より
デビュー作にして25万部を超えるベストセラーとなった「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」の著者が贈る、待望の最新作。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに送る物語。
感想など
朝6時に起きて、2時間。
気づけば一気読みしていました。
後にも先にも、これほど“幸せ”について考えた本は、たぶん、これがいちばんです。
「幸せの定義なんて人それぞれだし、正解があるわけじゃない」
そういう声もよく耳にします。
そして、「だからこそ、わざわざ考える必要なんてない」と。
それが間違っているとは思いません。
でも、私はむしろ――“考えなくてもいいこと”を、わざわざ考えるのが好きなのです。
だから、主人公がどんなふうに幸せについて向き合っていくのか、興味津々でページをめくっていました。
この物語の中には、「人生とは、」で始まる言葉がいくつも出てきます。
その中で、特に心に残ったのが、こんな一文でした。
「人生とは、昼休みみたいなもの。」
限られた時間があって、その中で何をするかが問われる。
遊ぶもよし、ぼんやりするもよし。
でも――“素敵なものに触れたい”と思うなら、時間は意識しなければならない。
人生の中で、本当に大事なものややりたいことに出会うと、私たちはつい「時間があること」を忘れてしまいます。
でも、昼休みと同じで、いつか必ずチャイムは鳴る。
そのとき、自分がどれだけ素敵なものに触れられたか――それが、たぶん、その人の人生になるのだと思います。
物語の主人公は小学生の女の子です。
わからないことに対して、ちゃんと「わからない」と言える子。
でもそれでも、ずっと「幸せ」について考え続けている。
その姿に、私は何度も胸を打たれました。
彼女のまっすぐさに救われる人がいて、彼女の問いかけによって「前を向ける」人がいる。
言葉が強いからではなく、誠実だからこそ、届くものがあるのだと思います。
本を閉じて、私はひとつ、心に決めたことがありました。
自分の意思で選んだ道と、そこで出会う人たちを、もっと大切にしていこうと。
誰かが用意した正解ではなく、自分の選んだ「昼休み」を、しっかりと味わっていこうと。
いつか、「幸せだったね」と笑える日が来るまで。

